銘柄分析

【長期投資で押さえるべきポイント】米国製薬大手メルク(MRK)の業績と投資リスクを解説

メルクに投資してみたいけど、事業内容とか業績が良く分からないから詳しく知りたい。他の医薬品銘柄とは何が違うの?

メルクって今は買い時?今後どうなるのかな。

ここでは、そんな人たちに向けて、世界有数の製薬大手メルク(MRK)の事業内容や財務数値を分析していきます。

銘柄を選ぶ際のヒントに少しでもなれば幸いです。

この記事では、メルクが長期投資に適しているか、以下の点から分析します。

メルクの事業内容、競争優位性
メルクのこれまでの業績
配当を含むこれまでの投資リターンや株価の考察

その他の銘柄に関する分析はこちらから

自己紹介

YY

ブログ運営者のYYです。記事をご覧いただきありがとうございます。
米国個別株やインデックスの長期投資を中心に運用しています。会計士の知識を生かした個別株の銘柄分析や、自身の失敗を踏まえた長期投資での気づなど、役立つ情報をブログにまとめていますので、よろしければ他の記事もご覧になってください。

分析の前提・注意点

この記事に記載した内容は、私個人ができる範囲で調べた情報を載せ、個人的な意見をまとめたものであるため、参考として、エンタメ的に楽しんでいただければと思います。
こちらの記事をきっかけに興味を持った銘柄があれば深掘りして調べていただき、より理解が深まれば幸いです。

使用した情報・分析手法は、年次報告書に記載されている決算数値や、一般に公表されている情報を用い、シンプルな分析を行っています。正確でない用語や数値が使われているかも知れませんが、ご容赦ください。

四半期の数値は短期の変動やブレが入るため、考慮していません。

紹介した銘柄について、将来の業績や株価についての言及がある可能性がありますが、その業績や株価を保証するものではありません。
また、その銘柄の保有や売買を勧めるものでは無く、売買はご自身で判断ください。

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結論

まず、この銘柄が長期保有に適しているか、これからお話しする内容を踏まえた結論から言うと、

ここ数年で業績は改善傾向にあるが、長期視点で売上ポートフォリオの分散、業績の安定成長を重視する場合、他の医薬品銘柄を選びたい

(ポイント)
医薬品の売上高は米国ではファイザーに次ぐ第2位
主力医薬品キートルーダの売上でここ数年の業績は改善。一方で集中リスクも
長期の投資リターンはS&P500や同業種平均に劣後

と考えています。

なお、現時点では、ダウ銘柄であれば売上ポートフォリオが分散されているアムジェンや、業績が安定成長しているジョンソン・エンド・ジョンソンを、より成長を重視する場合はイーライ・リリーを選びたいと考えてます。

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あくまでも、私個人の意見である点はご理解ください。

判断の理由や具体的なポイントについては、以降でお話します。

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事業の分析

ここでは、企業情報や事業構成などの事業内容について分析します。

ポイント:
医薬品の売上高は米国第2位

企業情報

業種ヘルスケア、製薬
ティッカーMRK
取引市場NYSE
採用指数S&P500、NYダウ
時価総額2,862億ドル
決算期12月
創業1891年
上場1941年
本社所在地ニュージャージー州、ローウェイ
CEOロバート・M・デイビス
従業員数69,000人

事業内容

メルクは、ガンや糖尿病の治療を目的とした医薬品や予防ワクチン、動物向け医薬品の製造・販売を手掛ける製薬会社です。

① 医薬品売上は米国で第2位

メルクは、米国の製薬会社の中ではファイザーに次ぐ第2位の売上規模を誇ります。

同じくNYダウに名を連ねるジョンソン・エンド・ジョンソン(医薬品部門のみ)やアムジェンを凌ぐ数字です。

② 主力製品はキートルーダ

主力製品として、ガンなどの腫瘍の治療に使用されるキートルーダ、予防ワクチンのガーダシル、COVID-19の抗ウイルス薬ラゲブリオなどがあります。

キートルーダはここ数年で一気に売上が伸び、全売上の40%を占めるほどこの製品に比重がかかっています。

同業のアッヴィでも、主力製品であるヒュミラの特許切れが、株価不調要因の一つになっていますから、キートルーダの特許切れまでは猶予があるとはいえ、今後はこれに続く製品の開発が課題となりそうです。

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③ 動物医薬品も手掛ける

メルクは人間用の医薬品・ワクチンの他、現時点では規模は大きくないものの、家畜やペット等の動物向けの治療薬にも力を入れています。

また、海外の売上が大半を占めています。

④ 主力医薬品事業への集中に向けた再編

メルクは、2003年の薬剤管理事業の独立・上場、2014年のコンシューマーケア事業の売却など、医薬品以外の事業分離を進めています。

後ほど詳細はグラフで触れますが、これらの取組みによって、徐々に利益率が改善しつつあります。

業績の分析

ここではメルクの過去の財務諸表から業績を分析していきます。

ポイント:
主力製品キートルーダがここ数年の業績アップに貢献
一方で特定の製品に依存する集中リスクもありそう

※ことわりが無い限り、以降の数値データは年次報告書(10-K)の情報を使用しています。

2020年代に入り、業績は軌道に乗ったか

2022年までの過去20年間の売上・純利益などの主要な損益指標を見ていきましょう。

長期の傾向を見ると、売上は2010年から2020年までは低調で、2021年から大きく増加しています。

また、営業利益・当期純利益は、事業売却などの再編絡みで短期的に変動しています(詳細はグラフ下の説明文A~Cを参照)。

これらの一時的な損益の影響を除けば売上と同様の動きを見せており、2021年からは増加しています。

売上については、製品別で詳細に見てみましょう。

① 直近はキートルーダが貢献。一方で集中リスクも

下のグラフは、全売上の90%近くを占める医薬品部門における製品別の売上推移を示したものです。

2017年以降はキートルーダが売上の増加に大きく貢献しており、特に2021年からの伸びは、このキートルーダとCOVID-19の飲み薬ラゲブリオによるところが大きいといえます。

一方で、2010年代まではあまり特定の製品に依存しない分散した売上ポートフォリオができていたのに対し、直近ではキートルーダが売上の40%を占めています。

先ほどの事業分析でも触れたとおり、一部製品への売上依存が業績を不安定にするリスクがあることは認識しておいた方が良いと思います。

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② 1株当たり純利益は20年間で約2倍

下のグラフは当期純利益と1株当たり当期純利益(EPS)の推移を示したものです。

EPSは20年間で約2倍の水準になっています。

2003年:3.05ドル → 2022年:5.71ドル

同じ期間でアムジェンはEPSが約7倍、ジョンソン・エンド・ジョンソンが約3倍に成長していることを踏まえると、少し物足りない気がします。

③ 利益率は改善傾向

次に、過去20年間の利益率(下の3指標)を見てみます。

  • 粗利益率:(売上-売上原価)÷売上
  • 営業利益率:営業利益(売上利益 ー 販管費)÷ 売上
  • 売上純利益率:当期純利益 ÷ 売上

他社との競争による値下げやコスト増加など、競争優位性に大きな問題が生じていれば、利益率にも変化が出てくると考えられます。

2010年頃までは利益率が全体として低下傾向にありましたが、2014年のコンシューマーケア事業の売却などにより、少しずつ改善傾向にあります。

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投資リターン・株価の分析

最後に、投資リターンについて整理します。

ポイント:
長期のリターンはセクター平均、S&P500指数に劣る

長期のリターンはセクター平均、S&P500指数に劣る

ここでは、2022年12月までの配当込みの投資リターン(チャートは月足)をS&P500指数などと比較します。

20年以上の長期で見ると、ヘルスケアセクターインデックスやS&P500指数を下回っています。

一方で直近5年間、特に2022年以降はこれらを上回っており、ここ最近で成長期待が高まっているように見えます。

銘柄・指数5年10年20年
メルク+122%+257%+322%
ヘルスケアセクターインデックス(XLV)+64%+265%+600%
S&P500+44%+172%+376%

【投資期間5年】

(Trading Viewより)

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【投資期間10年】

(Trading Viewより)

【投資期間20年】

(Trading Viewより)

配当利回りは割と高め

2023年6月時点での予想配当利回りは約2.6%であり、比較的高い水準です。

下のグラフは、過去20年間の1株当たり当期純利益(EPS)と1株当たり配当の推移を示したものです。

ここ最近の業績を見る限り心配は無さそうですが、あまり利益が伸びていない中でも増配を続けています。

現在の株価と今後の見通し

2023年6月現在の予想PER(2024年の予想EPSに基づく)は約13倍で、S&P500指数の17~18倍と比べると低めです。

参考までに、同じ医薬品セクターでNYダウ銘柄のアムジェンは約12倍、ジョンソン・エンド・ジョンソンは約14倍で、イーライ・リリーなどの成長期待が高い銘柄を除くと、医薬品銘柄のPERは低めのようです。

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長期ではアムジェンやジョンソン・エンド・ジョンソンの方が好み

メルクは、今後も数年はキートルーダの売上で業績は大きく伸ばしそうですが、その後続製品にかかってくるように思います。

個人的には、現時点では医薬品売上のポートフォリオが分散されているアムジェンや、業績がこれまで安定成長しているジョンソン・エンド・ジョンソンを長期目線では選びたいです。

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ただ、現在開発中の医薬品から今後どれくらい収益が見込めるのかなど、決算数値だけでは分からない部分もあると思います。

私は製薬会社のビジネスに詳しくないため、この辺りはよく分析したうえで、お気に入りの銘柄を見つけていただくのがよさそうです。

まとめ

ここまで、メルクの事業内容、業績、投資リターンと、今後の見込みについて見てきました。

総合すると、ここ数年で業績は伸びているものの、長期保有では安定成長銘柄を選びたい点を考慮すると、同じ医薬品であればアムジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソンを買いたいと考えています。

ただ、この点は個人の好みや、現在の業績だけでは見えない部分もあると思うので、検討する際にはよく調べていただくのがよさそうです。

このような銘柄分析のほか、銘柄の選び方や投資の勉強方法など、投資を始めたばかりの方に向けて有益な情報をまとめています。

ぜひご覧ください。

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※この記事に記載した内容はブログ運営者の個人的な意見やアイディアを述べたものであり、専門的なアドバイスを示すものではありません。特定の銘柄への投資を推奨するものではなく、投資の判断・実行は自己責任でお願いします。