ペプシコに投資してみたいけど、事業内容とか業績が良く分からないから詳しく知りたい。コカ・コーラとはどう違うの?
ペプシコって今は買い時?今後どうなるのかな。
ここでは、そんな人たちに向けて、コカ・コーラと並ぶ飲料大手のペプシコ(PEP)の事業内容や財務数値を分析していきます。
銘柄を選ぶ際のヒントに少しでもなれば幸いです。
この記事では、ペプシコが長期投資に適しているか、以下の点から分析します。
● ペプシコの事業内容、競争優位性
● ペプシコのこれまでの業績
● 配当を含むこれまでの投資リターンや株価の考察
その他の銘柄に関する分析はこちらから
自己紹介
ブログ運営者のYYです。記事をご覧いただきありがとうございます。
米国個別株やインデックスの長期投資を中心に運用しています。会計士の知識を生かした個別株の銘柄分析や、自身の失敗を踏まえた長期投資での気づなど、役立つ情報をブログにまとめていますので、よろしければ他の記事もご覧になってください。
この記事に記載した内容は、私個人ができる範囲で調べた情報を載せ、個人的な意見をまとめたものであるため、参考として、エンタメ的に楽しんでいただければと思います。
こちらの記事をきっかけに興味を持った銘柄があれば深掘りして調べていただき、より理解が深まれば幸いです。
使用した情報・分析手法は、年次報告書に記載されている決算数値や、一般に公表されている情報を用い、シンプルな分析を行っています。正確でない用語や数値が使われているかも知れませんが、ご容赦ください。
四半期の数値は短期の変動やブレが入るため、考慮していません。
紹介した銘柄について、将来の業績や株価についての言及がある可能性がありますが、その業績や株価を保証するものではありません。
また、その銘柄の保有や売買を勧めるものでは無く、売買はご自身で判断ください。
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結論
まず、この銘柄が長期保有に適しているか、これからお話しする内容を踏まえた結論から言うと、
ここ最近の業績は改善傾向、長期の投資リターンもS&P500を上回る。生活必需品株を持っておらず配当重視の場合、持っておいてもいい銘柄
(ポイント)
● 飲料だけでなく、スナックでも有名ブランドを所有
● ここ最近の業績は値上げ等により改善
● 長期の投資リターンはS&P500、コカ・コーラを上回る
と考えています。
なお、生活必需品株で成長を重視する場合は、私であればコストコをとります。
あくまでも、私個人の意見である点はご理解ください。
●コカ・コーラの分析についてはこちら↓
判断の理由や具体的なポイントについては、以降でお話します。
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事業の分析
ここでは、企業情報や事業構成などの事業内容について分析します。
ポイント:
● ペプシやマウンテンデューなどの炭酸飲料が有名だが、スナックも展開
● 売上ではコカ・コーラの2倍の規模を誇る
企業情報
業種 | 生活必需品、飲料(ノンアルコール) |
ティッカー | PEP |
取引市場 | NASDAQ |
採用指数 | S&P500、ナスダック100 |
時価総額 | 2,510億ドル |
決算期 | 12月 |
創業 | 1898年 |
上場 | 1919年 |
本社所在地 | ニューヨーク州、パーチェス |
CEO | ラモン・ラグアルタ |
従業員数 | 315,000人 |
事業内容
ペプシコは、200以上の国・地域で清涼飲料とスナック事業を展開する米国最大級の飲料メーカーです。
① 飲料だけでなく、スナックにも比重
ペプシコで最も大きな事業は米国・カナダの飲料事業ですが、ドリトスやチートスなどのスナック事業を展開するフリトレー北米事業も売り上げにおける同程度の割合を占めています。
日本でもペプシやマウンテンデューなどの炭酸飲料は有名ですが、ドリトスなどのスナック菓子はあまり見かけない気がします。
今度見かけたら、トライしてみたいですね。
② 売上規模はコカ・コーラの2倍
米国では炭酸飲料といえばコカ・コーラが有名ですが、ペプシコはそのライバル的存在であると言えます。
2社の大きな違いは、コカ・コーラが清涼飲料一本に絞っているのに対し、先ほども触れた通りペプシコはスナック事業にも大きな比重を置いている点です。
単純な売上だけで言えば、ペプシコはコカ・コーラの2倍の規模を誇っています。
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業績の分析
ここではペプシコの過去の財務諸表から業績を分析していきます。
ポイント:
● 2010年代は事業売却もあり売上は低迷
● 近年は値上げなどで業績が改善
※ことわりが無い限り、以降の数値データは年次報告書(10-K)の情報を使用しています。
2010年代の低迷期を脱出し、2020年以降は業績拡大
2022年までの過去20年間の売上・純利益などの主要な損益指標を見ていきましょう。
長期の傾向を見ると、2010年代は売上が伸びていませんが、2020年以降は再び成長軌道に乗っています。
営業利益、当期純利益も概ね売上に比例しています。
2018年に当期純利益が突出しているのは、年次報告書によるとグループ内再編の関係で税金費用の負担が減ったことが要因です。
この変動は、長期的な収益力や競争力とは関係の無い、特殊要因と見て問題無いように思います。
売上について、もう少し詳細に見てみましょう。
① 2010年代の売上低迷は一部事業からの撤退、為替など複数要因
下のグラフは事業別の売上推移を示したものです。
少しわかりづらいですが、2010年代の低迷は北米飲料、海外の売上があまり伸びていないことが要因です。
- 海外の売上縮小はベネズエラからの撤退
- 北米飲料事業の微減はメキシコ飲料事業からの撤退
- また、海外全体を通じて為替も影響
2020年からの売上増加は、フリトレー北米事業、北米飲料事業における値上げが主な要因です。
(同社の年次報告書より作成。海外事業は2016年までヨーロッパ、中東、アフリカ、アジアの事業間で統合が何度か行われており、期間比較がしづらいため「海外」にまとめて表示)
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② 1株当たり純利益は20年間で約3倍の水準に成長
下のグラフは当期純利益と1株当たり当期純利益(EPS)の推移を示したものです。
EPSは20年間で約3倍の水準になっています。
2003年:2.05ドル → 2022年:6.42ドル
PERが一定であるとすれば、株価もこの20年間で約3倍になっているはずなので、目安として後ほど株価がどれくらい伸びているか見てみましょう。
③ 利益率は概ね一定の水準
次に、過去20年間の利益率(下の3指標)を見てみます。
- 粗利益率:(売上-売上原価)÷売上
- 営業利益率:営業利益(売上利益 ー 販管費)÷ 売上
- 売上純利益率:当期純利益 ÷ 売上
他社との競争による値下げやコスト増加など、競争優位性に大きな問題が生じていれば、利益率にも変化が出てくると考えられます。
事業全体の利益率については大きな変動は無く、安定しています。
事業別で見ると特殊要因が影響。除くと概ね安定
事業別の利益率についても見ておきましょう。
中心となる事業のうち、フリトレー北米事業は、ここ最近はおそらく原料高により若干低下傾向にありますが、以前とそれほど変わりません。
また、北米飲料事業は2021年から2022年にかけて大きく伸びているように見えますが、これはトロピカーナなど、飲料事業の一部を売却したためです。
なお、海外が大きく落ち込んでいますが、これはロシア・ウクライナ紛争関連のコストやソーダストリーム事業の減損が要因です。
北米飲料と海外の変動要因については、長期的に発生するものでは無いため、これらを除くと、事業別の利益率も概ね安定していると考えられます。
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投資リターン・株価の分析
最後に、投資リターンについて整理します。
ポイント:
● 投資リターンはS&P500指数、コカ・コーラをアウトパフォーム
● 現在の株価はPERで見ると若干高め
長期のリターンはコカ・コーラ、S&P500指数を上回る
ここでは、2022年12月までの配当込みの投資リターン(チャートは月足)をS&P500指数などと比較します。
直近5年間ではそれほど大きな差はありませんが、長期になるとS&P500指数やコカ・コーラを上回るパフォーマンスを見せています。
また、10年以上の長期で見ると良く分かるのですが、S&P500指数やコカ・コーラと比べて変動幅が小さく、安定して上昇しています。
銘柄・指数 | 5年 | 10年 | 20年 |
---|---|---|---|
ペプシコ | +64% | +213% | +614% |
コカ・コーラ | +51% | +125% | +445% |
S&P500 | +44% | +172% | +376% |
【投資期間5年】
(Trading Viewより)
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【投資期間10年】
(Trading Viewより)
【投資期間20年】
(Trading Viewより)
配当利回りは割と高め
2023年6月時点での予想配当利回りは約2.7%であり、比較的高い水準です。
下のグラフは、過去20年間の1株当たり当期純利益(EPS)と1株当たり配当の推移を示したものです。
配当の伸びに対して利益が伸びていないため、今後の利益次第では増配率が下がるかも知れませんね。
現在の株価と今後の見通し
ペプシコの2023年6月現在の予想PER(2024年の予想EPSに基づく)は約23倍で、S&P500指数の17~18倍と比べると、少し高めです。
ただし、コカ・コーラも約21倍なので、そこまで気にする水準ではないかも知れません。
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有名飲料・スナックを世界中で展開する同社の成長余地は十分
ペプシコは飲料やスナックについて数多くのブランドを有しており、その競争優位性は高いと考えられます。
2010年代後半からは各地域における売上も順調に伸びています。
グロース株のような爆発的な成長は期待できないものの、今後も着実な株価の上昇が期待できるのではないでしょうか。
まとめ
ここまで、ペプシコの事業内容、業績、投資リターンと、今後の見込みについて見てきました。
総合すると、業績の着実な成長と共に株価も手堅く伸びており、生活必需品株を持っていない場合、安定の配当銘柄として押さえておいても良い銘柄と考えています。
コカ・コーラよりもPERは高いですが、過去の投資リターンは高いので私はこちらを選びます。
なお、生活必需品株で成長を重視する場合は、コストコを取ります。
このような銘柄分析のほか、銘柄の選び方や投資の勉強方法など、投資を始めたばかりの方に向けて有益な情報をまとめています。
ぜひご覧ください。
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※この記事に記載した内容はブログ運営者の個人的な意見やアイディアを述べたものであり、専門的なアドバイスを示すものではありません。特定の銘柄への投資を推奨するものではなく、投資の判断・実行は自己責任でお願いします。