投資を始めたばかりだけど、米国の個別株投資にも挑戦してみたい、という方は多いと思います。
ただ、米国の株式市場は世界最大規模を誇っており、上場企業数は国内企業だけでも5,000社近く、海外企業も含めれば6,000社を超えています。
また、投資経験が浅いと、長期保有に適した銘柄をスクリーニングして探すのはかなりの至難の業です。
色々な書籍やYoutubeでおすすめされる銘柄を買ってみるのも一つですが、推奨される理由が明確でなかったり、おすすめしている本人が実際には持っていない場合もあり得ますから、買うのを躊躇しますよね。
そこで、この記事では
私が実際に使っている方法で、長期保有に適した理由をきちんと理解して、安心して買える米国株の探し方
を紹介します。
簡単な自己紹介
ブログ運営者のYYです。記事をご覧いただきありがとうございます。
米国個別株やインデックスの長期投資を中心に運用しています。会計士の知識を生かした個別株の銘柄分析や、自身の失敗を踏まえた長期投資での気づなど、役立つ情報をブログにまとめていますので、よろしければ他の記事もご覧になってください。
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結論
どうやって長期保有に適した個別株を探すか、最初に結論から言うと、
農林中金アセットマネジメントが運営する米国株投資ファンド「おおぶね」が保有する銘柄から選ぶ
という方法です。
以降では、
❶ そもそも「おおぶね」とは何か
❷ なぜ「おおぶね」から選ぶと良いのか
❸ 「おおぶね」はどんな銘柄を保有していて、どう探したらよいのか
についてお話していきます。
ちなみに、私も「おおぶね」が保有している銘柄の中から、これはという3銘柄を選んで、安くなったタイミングで買い増しています。
そもそも「おおぶね」って何?
まず、「おおぶね」が何かについて簡単に解説します。
「もったいぶらずに実際にどんな銘柄を保有しているのか教えてよ!」という方は、全然読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
「おおぶね」の正式名称は、「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね」です。
S&P500やナスダックなどの指数に連動するインデックス型の投資信託とは異なり、米国に上場している個別株の中から今後の成長が期待される銘柄をファンドが厳選して投資する、いわゆるアクティブ型の投資信託で、農林中金グループの資産運用会社が運営しています。
ファンドの特色
このファンドの特色は、主に以下の3点です。
● 圧倒的な競争力を有する企業への長期厳選投資により、投資信託財産の中長期的成長を目指す
● 米国の上場株式を主要な投資対象とする
● 徹底した海外企業調査を通じて
(1)付加価値の高い産業
(2)圧倒的な競争優位性
(3)長期的な潮流
の3つの基準を満たす「構造的に強靭な企業®」に長期厳選投資を行う
この中でも3つ目の特色の、徹底的な企業調査で、長期的な成長が期待される「構造的に強靭な企業®」を見つけ出して投資する、という点がポイントです。
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①「構造的に強靭な企業®」って何?
簡単に言うと、長期投資の神様といわれるウォーレン・バフェットが提唱している「経済的優位性(ワイドモート)」と似たような概念です。
もう少し、このファンドの具体的な投資方針を見ていきましょう。
ファンドの銘柄選定基準を見ると、利益率が高い産業に属し、独自の技術やサービスなどで圧倒的な優位性を持っており、さらに市場拡大により利益成長が見込める、一握りの企業に投資するとしています。
(「おおぶね」の投資信託説明書(交付目論見書)より)
また、対象企業を厳選するために、日系の投資信託でありながら、年6回程度米国現地を訪問し、企業の経営者との面談や、工場などへの訪問を行い、企業の稼ぐ力とその持続性を調査・分析しているとのことです。
先ほども言ったウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハザウェイと極めて似た投資方針を明確にしているユニークなファンドで、日本ではこういったファンドはまだ多くないように思います。
② 投資責任者の奥野氏は「日本のウォーレン・バフェット」と呼ばれている
このファンドを運営(正確には投資助言)する農林中金バリューインベストメンツのチーフ・インベストメンツ・オフィサーである奥野氏は、投資家の間でも非常に有名な方で、メディアにも多数出演し、書籍も出版されています。
最近出版された書籍『投資家の思考法』を読むと、彼の投資に対する考え方がファンドに反映されていることがよく分かります(例:「トヨタ」、「フェラーリ」、「テスラ」、インベスターならこの3つの銘柄のうち、どこに投資するのか?答えは書籍で確認ください)。
これから個別株の長期投資に挑戦したい、という方におすすめの書籍です。
「おおぶね」の保有銘柄から選ぶ理由
それでは続いて、なぜ「おおぶね」の保有銘柄から選ぶと良いのか、それは、
● ファンドがその銘柄を購入・保有する理由を明らかにしている
● 売却する際も、その理由を明確に説明している
からです。
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銘柄だけ勧められても、理由がはっきりしないと困る
投資を始めて書籍やYoutubeで勉強していると、よくこの銘柄がおすすめだ、というのを見かけると思います。
ただ、なぜその銘柄が今おすすめなのか、同業種の他の銘柄と比べてどの点が優れているのか、具体的な説明がされず、はっきりしないことが意外と多いんですよね。
そういったおすすめ銘柄なら問題ないだろう、と思って買うのですが、その銘柄の事業内容や競争優位性をきちんと理解しておかないと、何かの拍子で短期的に株価が下落した時、結構メンタルを揺さぶられます。
特に、1株でも万単位で大きな買い物になる個別株は、投資を始めたばかりの場合、思った以上に株価の動きに惑わされます。
そうした株価の動きに、特に短期的な下落に左右されないためには、その銘柄の競争優位性や、それを踏まえて保有する理由を自分の中で理解して、納得することが重要です。
おおぶねは、その銘柄の事業内容や競争優位性、これらを踏まえて投資する理由について、運用報告書などで詳しく説明している
ので、その銘柄を理解するのに非常に役に立つんですよね。
各銘柄への投資理由を月次運用報告書で説明
このファンドの最も面白い点で、かつ投資家にとって非常に有用なのが、毎月作成する月次運用報告書の中で運用パフォーマンスを紹介するだけでなく、これから投資を検討している企業・産業の分析に加え、直近で売却した銘柄の売却理由についても、この中で結構なページ数を割いて説明している点です。
これを読むことで、この企業のこういった点に競争優位性があって長期保有に向いているんだな、こういう背景があってこの銘柄を売却したんだな、など、外からは見えづらいファンドの保有・売却に関する判断過程の詳細が分かるのです。
これは、今後自分で銘柄を選んでいく上でもとても参考になりますし、ここまで開示するのは結構すごいことだと、個人的には思っています。
ファンドを1口でも購入すれば読める
ただ、非常に残念なのが、それぐらい価値が高い情報であるため、2022年9月分の運用報告書から、一部がファンド受益者(購入者)への限定公開になってしまった点です。
そのため、今後もこのファンドの運用報告書を全て読みたい方は、ファンドを購入する必要があります(ただし、SBI証券だと積立買付のみで、最低100円から購入可能)。
私はこの運用報告書を読むために、小額ですがファンドを購入しました
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「おおぶね」が保有している銘柄はこれ
では、このファンドが具体的にどんな銘柄を保有しているか、以下の表をご覧ください。
GAFAMなどのテクノロジ-大型銘柄は一切入っていない一方、ナイキやディズニー、コストコ、ビザなど、世界的にも有名な企業が名を連ねています。
なお、各銘柄の選定理由を詳しく知りたい方は、銘柄名のリンク先に貼ってある月次運用報告書(2019年11月~2022年8月分のみ公表)を見てみてください。
間違いなく勉強になると思います。
おおぶねの保有銘柄リスト(2022年6月時点)
銘柄 | ティッカー | 業種等 | ファンドの組入比率 |
---|---|---|---|
テキサス・インスツルメンツ | TXN | 半導体・半導体製造装置 | 5.8% |
ハネウェル | HON | 資本財 | 3.4% |
ナイキ | NKE | 耐久消費財・アパレル | 3.8% |
エマソン・エレクトリック | EMR | 資本財 | 1.9% |
S&Pグローバル | SPGI | 各種金融 | 2.9% |
ディア&カンパニー | DE | 資本財 | 2.0% |
ウォルト・ディズニー | DIS | メディア・娯楽 | 7.5% |
TJX | TJX | 小売 | 3.9% |
クロロックス | CLX | 家庭用品・パーソナル用品 | 1.7% |
エコラボ | ECL | 素材 | 3.0% |
アジレント・テクノロジーズ | A | 医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス | 2.7% |
アンフェノール | APH | テクノロジー・ハードウェアおよび機器 | 6.2% |
コストコ | COST | 食品・生活必需品小売り | 4.1% |
ファスナル | FAST | 資本財 | 3.4% |
イリノイ・ツール・ワークス | ITW | 資本財 | 1.8% |
マコーミック&カンパニー | MKC | 食品・飲料・タバコ | 6.3% |
ローパー・テクノロジーズ | ROP | 資本財 | 3.2% |
シャーウィン・ウィリアムズ | SHW | 素材 | 3.8% |
ビザ | V | ソフトウェア・サービス | 5.8% |
チャーチ&ドワイト | CHD | 家庭用品・パーソナル用品 | 3.8% |
ゾエティス | ZTS | 医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス | 3.1% |
ジャック・ヘンリー&アソシエイツ | JKHY | ソフトウェア・サービス | 3.0% |
メトラー・トレド | MTD | 医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス | 1.7% |
レスメド | RMD | ヘルスケア機器・サービス | 3.2% |
べリスク・アナリティクス | VRSK | 商業・専門サービス | 3.1% |
ローリンズ | ROL | 商業・専門サービス | 3.0% |
MSCI | MSCI | 各種金融 | 1.6% |
コパート | CPRT | 商業・専門サービス | 1.5% |
ステリス | STE | ヘルスケア機器・サービス | 3.1% |
(ファンドの2022年6月運用報告書より抜粋、組入比率はドル建てで算出。その後、売買等により情報が変更されている可能性あり)
一部の銘柄については財務分析をやっています
上記のおおぶね保有銘柄のうち、一部について別の記事で財務分析しています。
業績や財務状況を確認したい方はご覧になってみてください。
● ウォルト・ディズニー(DIS)
● ナイキ(NKE)
● ビザ(V)
銘柄選びの参考にする際の注意点
最後に、これらの情報を踏まえて個別銘柄を購入する際、購入した後の留意点についてお話します。
必ずしも短期間では上昇は見込めない
ファンドの投資方針でも明確になっているとおり、これらの銘柄は長期の成長性から株価の恩恵を受けることを目的としています。
そのため、直近のインフレや景気後退懸念の影響で短期的に株価が大きく落ち込んでいる銘柄も多くあります。
※2022年12月時点の情報に基づく
ここで狼狽売りせず、企業の長期的な成長性や優位性に陰りが見えない限りは腰を据えて投資を続ける必要があり、動揺しないメンタルが試されますね。
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メンタル面に自信が無い場合は分散買い
株価は短期的には市場心理に大きく影響され、変動します。
ためになる情報を得たから早速大きく張ってみよう!と資金を全て投入して一括買いしてしまうと、短期で下落した場合、心理的に大きなストレスになります。
最悪の場合、安値で売らざるを得ないことも。
逆に、資金を時間で分散する分散買いを徹底していれば、下落はむしろ、「安く買って高く売る」投資の大原則にぴったりはまる大きなチャンスになります。
長期投資は焦らず、分散投資でじっくりいきましょう。
買った後もメンテナンスが必要
顧客から大事な投資資金を預かるファンドとして当然と言えばそうなのですが、おおぶねでは購入後も市場分析や経営陣へのインタビューなどフォローアップを続けます。
その後、投資した当初に想定していた市場の成長性や、経営陣が主張していた拡大が見込めなくなった場合には、躊躇なく売却しています。
アメリカの投資家ジム・クレイマーも「バイ・アンド・ホームワーク(買った後こそ銘柄を勉強)」を主張しています。
よく、長期投資では、「バイ・アンド・ホールド」していれば問題ないという意見もありますが、個人投資家として買って終わりではなく、その後も決算書を読んで業績を確認するなど、簡単なところだけでも続けていく必要はあるように思います。
まとめ
今回の記事では、実際に私が取り入れている、「長期保有向きの銘柄の探し方」の一つとして、おおぶねファンドの保有銘柄から選ぶ方法を紹介しました。
このように、投資を始めたばかりの方向けに、長期投資で参考になる情報を他にも発信していますので、良ければご覧になってください。
●銘柄分析に興味がある方はこちら
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※この記事に記載した内容はブログ運営者の個人的な意見やアイディアを述べたものであり、専門的なアドバイスを示すものではありません。特定の銘柄への投資を推奨するものではなく、投資の判断・実行は自己責任でお願いします。