銘柄分析

シェブロン株(CVX)の投資戦略。銘柄分析と原油価格から見極める買いタイミングは?

シェブロンを買ってみたいけど、どんな会社かも良く分からないし、どう分析すればいい?

人気の銘柄や専門家、インフルエンサーのおすすめ銘柄を買ってみたいけど、もうちょっと中身が分からないと不安。。。

ここでは、そんな人たちに向けて、投資家の間で人気の銘柄や注目を浴びている銘柄について、主に長期的な保有に適しているか、事業内容の解説も加えながら、過去10年以上の財務数値を分析していきます。

銘柄を選ぶ際のヒントに少しでもなれば幸いです。

今回は、エクソン・モービルと並び石油スーパーメジャーの一角である、シェブロン(CVX)です。

この記事では、シェブロン株が長期投資に適しているか評価する上で、主に以下の点を紹介します。

シェブロンの事業内容、過去の業績
これまでの株価推移、配当などの投資リターン
今後の株価に関する考察

その他の銘柄についてはこちらから

自己紹介

YY

ブログ運営者のYYです。記事をご覧いただきありがとうございます。
米国個別株やインデックスの長期投資を中心に運用しています。会計士の知識を生かした個別株の銘柄分析や、自身の失敗を踏まえた長期投資での気づなど、役立つ情報をブログにまとめていますので、よろしければ他の記事もご覧になってください。

分析の前提・注意点

この記事に記載した内容は、私個人ができる範囲で調べた情報を載せ、個人的な意見をまとめたものであるため、参考として、エンタメ的に楽しんでいただければと思います。
こちらの記事をきっかけに興味を持った銘柄があれば深掘りして調べていただき、より理解が深まれば幸いです。

使用した情報・分析手法は、年次報告書に記載されている決算数値や、一般に公表されている情報を用い、シンプルな分析を行っています。正確でない用語や数値が使われているかも知れませんが、ご容赦ください。

四半期の数値は短期の変動やブレが入るため、考慮していません。

紹介した銘柄について、将来の業績や株価についての言及がある可能性がありますが、その業績や株価を保証するものではありません。
また、その銘柄の保有や売買を勧めるものでは無く、売買はご自身で判断ください。

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結論

まず、この銘柄が長期保有に適しているか、結論から言うと、

原油価格に連動する石油株の中でも高いパフォーマンスだが、目先の原油価格は落ち込みが予想され、原油価格が70ドルあたりまで落ちたら買うのもあり

(ポイント)
業績、株価ともに原油価格に連動
世界的な景気減速などで原油価格は2024年まで落ち込む見込み
ポートフォリオの分散を図る目的で、落ちた時期に買っていくのはありか

と考えています。

判断の理由や具体的なポイントについては、以降でお話します。

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銘柄情報

企業情報や事業内容について、簡単に触れておきます。

企業情報

業種エネルギー、石油・天然ガス
ティッカーCVX
取引市場NYSE(ニューヨーク証券取引所)
設立1879年
上場1921年
本社所在地カリフォルニア州、サンラモン
CEOマイク・ワース
従業員数38,400人

事業内容

シェブロンは、エクソン・モービルやシェルと並ぶ国際的な石油メジャーの一角で、石油や天然ガスの採掘から生産・精製・販売まで完結する垂直統合型のエネルギー会社です。

米国のテキサス、ニューメキシコ、コロラド、カリフォルニアの他、世界各地で採掘事業を展開しています。

また、生産・精製した石油商品を、グループの「シェブロン」や「Texaco(テキサコ)」、「Caltex(カルテックス)」ブランドで展開し、2022年時点で米国内だけでも8,200、国外も合わせれば13,000以上のガソリンスタンドで販売しています。

主な事業セグメントは川上、川下を国内・海外に分けた4区分

一般的に、エネルギーセクターは、主に資源の採掘・生産・輸送を行う川上事業と、原油からガソリン、軽油等を製造する精製や製品を販売する川下事業の2つに分けられます。

シェブロンは両方の事業を営んでおり、この2つをさらに国内と海外に分けた4つのセグメントから構成されています。

ただし、川上事業が主軸にあり、2022年時点では純利益の80%近くを占めています。

(同社2022年の年次報告書より)

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川上事業と川下事業の詳細はこちらを確認ください。

(同社の年次報告書より要約)

これまでの業績

ここからはシェブロンの過去の決算数値を分析していきます。

※ことわりが無い限り、これ以降の数値データは年次報告書(10-K)の情報を使用しています。

売上・純利益は原油価格に連動

過去20年間の売上・純利益を見ていきます。

折れ線グラフの「1バレル生産当たり収益」は、1バレルの生産でシェブロンが得られる収益で、会社の公表情報です。

もう一つの折れ線グラフ、市場の原油価格を示す「WTI原油価格」に連動しています。

さらに、棒グラフの売上・純利益が折れ線とほぼ同じ動きをしていることから分かるとおり、シェブロンの業績はマーケットの原油価格に左右されることが分かります。

業績に関する分析はこれだけで結論がほぼ出てしまうのですが、純利益の水準を少し深掘りして見ていきましょう。

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原油価格40ドル付近が純利益の赤字水準

下のグラフは、純利益と原油価格を示したものです。

事業内容でも触れたとおり、川上事業が純利益の大部分を占めていることが分かります。

また、近年の純利益(グレーの折れ線グラフ)とWTI原油価格の関係を見ると、概ね原油価格が40~45ドル付近まで落ちるとシェブロンの純利益は赤字に転落しています。

シェブロンの場合、純利益が赤字でも減配しない傾向にあるため、あまり心配ないかも知れませんが、配当狙いで投資したい人は、将来赤字で減配されるリスクを考えた時に、原油価格がこの水準まで落ちると注意、ということは認識しておいた方が良いかも知れません。

配当への意識は高い

シェブロンの配当利回りは2023年4月時点で3.57%と、S&P500の中では他のエネルギー銘柄と同様、割と高めの水準です。

30年以上の連続増配

また、30年以上の連続増配銘柄でもあります。

過去20年を振り返ると、純利益が出ていない年もありますが増配は継続しており、配当への意識は高いといえます。

●高配当と株価上昇が狙える銘柄の分析はこちら

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投資リターン

最後に、投資リターンについて整理します。

過去10年間はS&P500に及ばない

直近10年間における、配当込みの投資リターンをS&P500や同業種セクターと比較すると、同業種(エネルギーセクター。ここではXLEを参照)の2倍のパフォーマンスを上げていますが、S&P500には及んでいません。

シェブロン:+110%
S&P500:+159%
エネルギーセクター(XLE):+59%

(TradingViewより)

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① 株価も原油価格に連動

下のグラフはシェブロンの株価(配当を考慮しない)と原油価格(ブレント原油指標)を比較した図です。

原油価格が業績に影響し、さらに業績に紐づく形で株価も大きく影響を受けていることが分かります。

② 長くリターンが出ない期間も

チャートを見ると、2020年末までの10年間はほぼ利益が出ていない状態が続いています。

2021年辺りからエネルギー株にも注目が集まっていますが、このように長く報われない期間があったこと、今後もエネルギーの需給次第ではこのようにリターンが出ない状況があり得ることを理解しておくべきでしょう。

原油の今後の需要や供給を踏まえて原油価格が今後どう動くかを考えて判断する方が良さそうです。

③ 配当狙いでもリターンには注意が必要

配当利回りは約3.5%と高めですが、これを含めた投資リターンでも過去20年間ではS&P500を下回っている点には注意が必要です。

配当はもらえても株価が上昇しない可能性があるということです。

YY

「配当利回りが高いから」、「短期では株価が大きく上昇しているから今後も伸びるはず」、と安易に考えずにじっくり構えましょう。

原油価格の動向

では、株価に大きく影響する原油価格は今後どうなっていくのか、短期と長期の視点で最後に整理します。

(短期)2024年までは世界的な景気減速などで下落が見込まれている。
(長期)10年以上の長期では上昇トレンドに見えるが。。。

短期の視点

2024年までの短期における原油価格については、世界銀行や米エネルギー情報局(EIA)が公表している数値があります。

世界銀行は2022年10月、EIAは2023年1月と予想を公表した時期が離れていますが、いずれも2023年、2024年で原油価格が毎年10%程度落ち込んでいくと予想しています。

(世界銀行 2020年10月「Commodity Markets Outlook」、米エネルギー情報局 2023年1月「U.S. crude oil production will increase to new records in 2023 and 2024」より)

長期の視点

長期的には原油価格はどうなるか、これには各国の経済活動から来る原油の需要や、アラブ諸国やロシアなどの産油国の思惑など、様々な要素が絡んできます。

そのため、正確な予測は不可能ですが、2000年以降は長期的に上昇トレンドにあるように見えます。

昨年、投資の神様ウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハザウェイがオクシデンタル石油(OXY)株を取得したことが話題になっています。

バフェットといえば長期投資で有名ですが、長期的には石油が希少になっていくことを見越した投資かも知れませんね。

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まとめ

ここまで、シェブロンの過去の業績と投資リターン、今後の見込みについて見てきました。

原油の上昇は一服感はあるものの、引き続き政治的・経済的に重要な資源であることは間違いなく、原油価格が下がったタイミングで、シェブロンを含めエネルギーセクターを買っていくのはアリだと考えています。

このような銘柄分析のほか、銘柄の選び方や投資の勉強方法など、投資を始めたばかりの方に向けて有益な情報をまとめています。

ぜひご覧ください。

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