ダウ銘柄のアムジェンに投資してみたいけど、事業内容とか業績について詳しく知りたい。
アムジェンって今は買い時なのかな?
ここでは、そんな人たちに向けて、米国大手の医薬品メーカーである、アムジェン(AMGN)の事業内容や財務数値を分析していきます。
銘柄を選ぶ際のヒントに少しでもなれば幸いです。
この記事では、WBAが長期投資に適しているか、以下の点から分析します。
● アムジェンの事業内容、競争優位性
● アムジェンのこれまでの業績
● 配当を含むこれまでの投資リターンや株価の考察
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自己紹介
ブログ運営者のYYです。記事をご覧いただきありがとうございます。
米国個別株やインデックスの長期投資を中心に運用しています。会計士の知識を生かした個別株の銘柄分析や、自身の失敗を踏まえた長期投資での気づなど、役立つ情報をブログにまとめていますので、よろしければ他の記事もご覧になってください。
この記事に記載した内容は、私個人ができる範囲で調べた情報を載せ、個人的な意見をまとめたものであるため、参考として、エンタメ的に楽しんでいただければと思います。
こちらの記事をきっかけに興味を持った銘柄があれば深掘りして調べていただき、より理解が深まれば幸いです。
使用した情報・分析手法は、年次報告書に記載されている決算数値や、一般に公表されている情報を用い、シンプルな分析を行っています。正確でない用語や数値が使われているかも知れませんが、ご容赦ください。
四半期の数値は短期の変動やブレが入るため、考慮していません。
紹介した銘柄について、将来の業績や株価についての言及がある可能性がありますが、その業績や株価を保証するものではありません。
また、その銘柄の保有や売買を勧めるものでは無く、売買はご自身で判断ください。
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結論
まず、この銘柄が長期保有に適しているか、これからお話しする内容を踏まえた結論から言うと、
主力医薬品の増加により業績の安定成長が見込める銘柄で高配当も狙え、ヘルスケアを持っていなければ買っても良い銘柄
(ポイント)
● 2010年代から主力医薬品が増加
● 売上ポートフォリオが分散化。業績も安定成長
● 配当利回り高く、長期のリターンも同業種平均、S&P500を上回る
と考えています。
あくまでも、私個人の意見である点はご理解ください。
判断の理由や具体的なポイントについては、以降でお話します。
ちなみに、製薬企業では同じダウ銘柄のジョンソン・エンド・ジョンソンについて、こちらの記事で分析しています。
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事業の分析
ここでは、企業情報や事業構成などの事業内容について分析します。
ポイント:
● 2010年代から主力医薬品が増加
企業情報
アムジェンは米国では有数のバイオ医薬品メーカーです。
米国マーケットを代表する株式指数であるダウ工業株30種平均の構成銘柄には、2020年8月にセールスフォース、ハネウェルとともに採用されました。
ダウ銘柄の中では新入生にあたります。
業種 | ヘルスケア、製薬 |
ティッカー | AMGN |
取引市場 | NYSE(ニューヨーク証券取引所) |
指数 | ダウ工業株30種、S&P500、ナスダック100 |
時価総額 | 1,217億ドル |
決算期 | 12月 |
創業 | 1980年 |
上場 | 1983年 |
本社所在地 | カリフォルニア州、サウザンドオークス |
CEO | ロバート・A・ブラッドウェイ |
従業員数 | 25,200人 |
事業内容
アムジェンの医薬品メーカーとして、主に以下の医薬品を製造・販売しています。
ENBRELやAranespなどの古くからの医薬品に加え、OtezaやRepathaなど、2010年代に販売が開始された医薬品が主力となりつつあります。
(同社の年次報告書より作成)
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業績の分析
ここではアムジェンの過去の財務諸表から業績を分析していきます。
ポイント:
● 主力医薬品の増加により、売上ポートフォリオが分散化
● 近年は買収が続き、利益率が低下しているが、2022年は回復
※ことわりが無い限り、以降の数値データは年次報告書(10-K)の情報を使用しています。
業績は堅調に推移
2022年までの過去20年間の売上・純利益などの主要な損益指標を見ていきましょう。
M&Aによるものも含めた主力医薬品の増加とともに、売上は増加しています。
一方で、2017年の純利益の落ち込み、2019年以降の営業利益、純利益の減少が気になります。
後ほど見てみましょう。
① 製品ラインが徐々に複線化
下のグラフは、2022年までの20年間の製品別売上高の推移を示したものです。
古くからある製品ラインは徐々に売上が減少傾向にありますが、取って代わる形で新しい製品ラインが売上を伸ばしています。
製薬企業の場合、医薬品の特許切れで売上が大きく落ち込むと言われています。
近年は、ENBRELやAranesp、Neulastaなどの2000年代、2010年代に売れ筋だった医薬品が減少傾向にあります。
しかし、それにとって代わる形で2010年代から販売が開始されたProliaやNplate、Repatha、2019年に買収したOtezlaなどの医薬品の売上が着実に増加しています。
特定の医薬品に依存しない、分散化された売上ポートフォリオが出来上がってきていますね。
(同社の年次報告書より作成)
② トランプ減税の影響で2017年は税負担増加
2017年の純利益の減少は、税金費用の増加によるものです。
この年の12月、米国では減税・雇用法(いわゆるトランプ減税)が成立し、米国企業の法人税率が35%から21%に大きく引き下げられた一方で、国外のグループ会社に留保する利益剰余金に対して一時的な課税がなされました。
これにより、税金費用が一時的に大きく増加していますが、長期的な収益力に影響するものでは無いと考えられます。
③ 買収費用関連で営業利益が低下
アムジェンの年次報告書によると、営業利益の低下理由について、2020年はOtezlaの買収・マーケティング関連費用の増加、2021年はFive Prime Therapeuticsの買収に伴うものとされています。
買収に関連するコストは一時的なものが多いこと、2022年には営業利益率もこれまでの水準に戻っていることから、同様に長期的な収益力に問題を及ぼすものでは無さそうです。
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④ 利益率は一定のレンジで推移
ここでは、以下の3つの収益指標を見ていきます。
- 粗利益率:(売上-売上原価)÷売上
- 営業利益率:営業利益(売上利益 ー 販管費)÷ 売上
- 売上純利益率:当期純利益 ÷ 売上
他社との競争による値下げやコスト増加など、競争優位性に大きな問題が生じていれば、利益率にも変化が出てくると考えられます。
粗利益率は落ちていますが、営業利益率で見た場合、大きな落ち込みは無く、一定のレンジで推移しています。
投資リターン・株価の分析
最後に、投資リターンについて整理します。
ポイント:
● 投資リターンは10年以上の長期ではS&P500指数をアウトパフォーム
● 同社の歴史的なPERからすると現在の株価は高くも安くもない水準
長期の投資リターンはS&P500指数を上回る
ここでは、期間を区切って投資リターン(配当込みのパフォーマンス)をS&P500指数と比較します。
下の表とグラフは2022年12月末までの期間におけるリターン(月足)を比較したものです。
直近5年間ではS&P500指数をわずかに上回る程度ですが、10年以上の長期になると指数を上回るパフォーマンスを見せています。
銘柄・指数 | 5年 | 10年 | 20年 |
---|---|---|---|
アムジェン | +57% | +282% | +560% |
S&P500 | +44% | +172% | +376% |
NYSE製薬指数 | +48% | +111% | +182% |
【投資期間5年】
ここ5年間では大きな差はありません。
(Trading Viewより)
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【投資期間10年】
10年以上の長期では、指数を上回っています。
(Trading Viewより)
【投資期間20年】
(Trading Viewより)
配当利回りは高め
2023年5月時点での予想配当利回りは約3.5%であり、比較的高めの水準です。
また、下のグラフは、過去20年間の1株当たり当期純利益(EPS)と1株当たり配当の推移を示したものです。
配当の支払は2011年から開始しており、実績は10年程度とそれほど長くありませんが、利益の増加と共に配当額も増えています。
現在の株価と今後の見通し
アムジェンの2023年5月現在の予想PER(2024年の予想EPSに基づく)は約12倍で、S&P500指数の17~18倍と比較すると割安な水準です。
ただし、他の医薬品銘柄もこの位の水準(アッヴィ、メルクは約13倍)です。
実績PER(過去の実績EPSに基づくPER)は約15倍であり、アムジェンの歴史的なPERが10~20倍から見るとそれほど割安という訳ではなさそうですね。
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まとめ
ここまで、アムジェンの事業内容、業績、投資リターンと、今後の見込みについて見てきました。
総合すると、売上ポートフォリオの分散により業績は安定化すると見込まれ、ヘルスケアを持っていなければ、成長と高配当が狙える押さえておいても良い銘柄と考えています。
このような銘柄分析のほか、銘柄の選び方や投資の勉強方法など、投資を始めたばかりの方に向けて有益な情報をまとめています。
ぜひご覧ください。
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※この記事に記載した内容はブログ運営者の個人的な意見やアイディアを述べたものであり、専門的なアドバイスを示すものではありません。特定の銘柄への投資を推奨するものではなく、投資の判断・実行は自己責任でお願いします。