米国株市場は6月に入り、かなり順調に上がっています。
少し前まではGAFAM+エヌビディア、テスラの7社主導で上昇していましたが、5月のCPIインフレ指標、6月FOMCの結果、見通しなどが概ね市場の予想通りで大きな不安材料が無くなったこともあって、ここ最近はバリュー銘柄も含む米国市場全体に資金が回っている印象です。
2~3年以内に個別株投資を始めこれまでコツコツと買い続けてきて、今リターンが出て一息ついたという方も多いのではないでしょうか。
私は年初から少しづつ買い増し、ハイテクは上がるのに自分の銘柄はなかなか報われないなと思っていましたが、ここ1か月ほどで今まで見たことが無いような上昇を見せる保有銘柄もあり、嬉しくなっているところです。
もちろん、ここから再び下降する、あるいは大きく調整する可能性もあります。
また、あくまでも長期投資が私の基本戦略ですので、今の上昇は将来確定するまでは一時的なものと捉えています。
とはいえ、やはり自分の見立てが、現時点では間違っていなかったなと思えるのは素直に嬉しいですね。
今回の記事では、そんな好調な兆しを見せている市場で、長期投資の視点から、
● 現在の市場環境の簡単な振り返り
● 6月の売買状況とこれからの売買予定
について、お話していこうと思います。
私個人の考えであり、本題から逸れる内容もあったりしますので、参考程度にご覧いただければ幸いです。
自己紹介
ブログ運営者のYYです。記事をご覧いただきありがとうございます。
米国個別株やインデックスの長期投資を中心に運用しています。会計士の知識を生かした個別株の銘柄分析や、自身の失敗を踏まえた長期投資での気づなど、役立つ情報をブログにまとめていますので、よろしければ他の記事もご覧になってください。
この記事以外でも、特に投資を始めたばかりの方に参考になる記事を書いています。
● 銘柄の選び方が分からない…そんな方は↓
● どんなポートフォリオ構成にしたらよい?↓
● 長期投資で良い成績を上げるためのヒントとは?↓
現在の市場環境
まず、主要3指数について見ていきます。
ナスダック、S&P500は力強い上昇。ダウも6月は好調
年初来のパフォーマンスはナスダックが+32%、S&P500が+15%、NYダウが+3%と、2022年とは全く逆のパフォーマンスとなりました。
逆に言えば、ナスダックは2022年にGAFAMを中心に落ち込んだ分を、2023年にAI絡みで取り戻した格好とも言えます。
パフォーマンス | S&P500 | NYダウ | ナスダック |
---|---|---|---|
2023年YTD | +16% | +4% | +32% |
2022年年間 | ▲21% | ▲9% | ▲34% |
【2023年初来パフォーマンス】
(Trading Viewより)
こう見ると、ナスダックに対する市場の期待と資金の集まり方は尋常ではなく、運用資産を伸ばす上ではうまくこの指数や個別銘柄で入れていきたいと思う一方で、ダウの底堅さ(※)も安心感では魅力に思います。
※2022年の下落で、心理面での安心感とストレスは投資をする上で重要なファクターであることを痛感しました。
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6月を見ると、ナスダックやS&P500のパフォーマンスにダウも追い付いてきているという状況です。
【2023年6月のパフォーマンス】
(Trading Viewより)
投資家心理はやや過熱気味か
長期投資で私が重要視しているものの一つが「投資家心理」です。
ハワード・マークスの「逆張り思考」や、ウォーレン・バフェットの格言である「他人が貪欲になっている時は慎重に。他人が恐れている時は貪欲に」にあるとおり、私は経済予測に頼らず、市場心理が落ち込んでいる状況で買うタイミングを探っています。
① 恐怖・強欲指数は「極めて強欲」
CNNが公表している市場の過熱感を表す恐怖・強欲指数は、6/16時点で「極めて強欲」の82を示しています。
(CNN HPより)
2022年2月に付けて以来の最高水準です。
過去を見ると概ね70を超えた辺りに到達した後は、短期的には株価は調整に入っていることが分かります。
【恐怖・貪欲指数とS&P500の推移(2021年~)】
(Macro Microより)
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長期目線で安く買いたい場合には、今のほとぼりが少し冷め、株価が落ち着くのを待つのも一つの手だと考えています。
もちろん、将来的な値上がりを考えれば、この程度の調整は誤差だと考え、無視して決まったタイミングで買い増していく、というアイディアもあると思います。
私はそこまで明確なルール・タイミングを決めていませんが、2023年に入り市場が上向きにあることを考えると、恐怖・貪欲指数が「ニュートラル」の水準に来るまで(※)は買うのを待とうかなと考えています。
※市場がかなり悲観的だった2022年は、概ねの目安として30(恐怖)を下回る辺りで買い始めていました。2023年はその水準に戻るタイミングを待つと買うチャンスが無い
ただ、この指数はマーケット全体の状況を示すものなので、個別銘柄を買う際には、この指数を参考にしながら、個別株のRSI(相対力指数)や株価の落ち込み具合を見て買っています。
② 機関投資家も2022年後半から徐々に参入
下のグラフは、全米アクティブ投資マネージャー協会(National Association of Active Investment Managers)が公表している、機関投資家の強気度を示したものです。
現在は80付近にあり、S&P500が直近底値を付けた2022年10月に20付近を付けた後、上向きになっています。
機関投資家も本腰を入れて株式市場に資金を入れていて、長期的な上昇になる可能性を示していると考えています。
(NAAIM HPより)
6月の売買の状況とこれからのプラン
以上の直近の状況を踏まえた、6月の投資状況と今後の方向性をお話します。
もともとの私の投資戦略、5月までの投資内容はこちらをご覧ください。
● 2023年の投資戦略
● 5月までの振り返り
投資信託の積立は継続
まず、私の運用は米国株(個別株と投資信託)のみです。
現在、運用の60%近く(待機現金は除く)を占めている投資信託はS&P500指数連動型のみで、特に積立は止めていません。
こちらは売買のタイミングは考えず、6月も定期買付を継続しており、今後も変更する予定はありません。
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個別株は押し目無く、買いはゼロ
個別株については安くなったタイミングで拾うのが大きな方針です。
6月はこれまで、私の保有銘柄や監視銘柄にそういった下落・調整場面が無かったため、買っていません。
ただし、先ほども触れたとおり、株価が落ちる局面が来ないからといって上昇中の株を買い急ぐようなことはせず、過熱感が落ち着くまでじっくりと待つつもりです。
上昇トレンドでも大きな下落場面あり。今後はそこが買い場の目安
では、仮に今の相場が上昇トレンドに入っているとした場合、調整場面は来るのか、調整はどれくらいの頻度・深さになるか。
それがある程度分かっていれば、調整が来ても怯えたりせず、むしろ絶好の買い場として冷静に対処できそうですよね。
この点をまさにちょうど分析・解説しているのが、野生の経済学で有名な岡崎良介氏です。
詳しくは下のYouTubeをご覧いただければと思いますが、動画で紹介されているS&P500指数の過去の上昇トレンドとその調整局面をまとめました。
【S&P500の長期の上昇トレンドと調整局面】
ボトム | ピーク | 期間 (月) | 上昇率 | 年率換算 | 10~15%の下落(回) | 15~20%の下落(回) |
---|---|---|---|---|---|---|
1987.12 | 2000.3 | 148 | 582% | 47% | 3 | 2 |
2002.10 | 2007.10 | 60 | 101% | 20% | 1 | 0 |
2009.3 | 2020.2 | 131 | 401% | 37% | 2 | 3 |
2020.3 | 2022.1 | 21 | 114% | 64% | 0 | 0 |
2022.10 | 7(現在) | 0 | 0 |
(下の岡崎氏のYouTube動画より抜粋・要約)
過去の傾向を見ると、概ね5~6年に1回程度は10%以上の下落局面が来ているようです。
これ以外にも5~10%程度の下落が来ていることも踏まえると、大体5%程度落ちたら少しずつ買っていく、というイメージで私は捉えています。
※個別株だともっと値動きは極端になる場合もあるので、あくまでもイメージです。
なお、岡崎氏の分析は、他にも実践的で役に立つものが多いと思いますので、若干難しい内容の回もありますが、見てみることをお勧めします。
● 2023.6.14 ゆたかTV 岡崎良介の投資戦略「SP500の上昇トレンドにおける調整局面」
大きく上がった銘柄で一部利確したものも
基本的には売却はしないのですが、今回久しぶりに個別株を売却しました。
といっても全てを売却したわけでは無く、ここ最近で大きく上昇した銘柄のうち、その保有分の5~10%程度を売却した程度です。
これは特にその保有銘柄の成長性に懸念があるわけでは無く、単純に上がった分の一部は利益を確定しておいてもいいかな、と思ったためです。
一部利確した銘柄も含め、引き続き長期での上昇を狙って保有しています。
まとめ
今回は、6月の市況とそれを踏まえた現在の売買状況、今後の買い方についてお話しました。
5月の振り返り記事でも触れましたが、テック系が好調な一方、ヘルスケアや小売りなどはまだまだ上昇していない銘柄もあるように思います。
FOMO(買い逃しの恐怖)に惑わされず、良い銘柄を探しながら、安いと思える買い場を待ちたいと思います。
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その他にも、米国株投資で有用な記事を書いています。
是非見てみてください。
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※この記事に記載した内容はブログ運営者の個人的な意見やアイディアを述べたものであり、専門的なアドバイスを示すものではありません。特定の銘柄への投資を推奨するものではなく、投資の判断・実行は自己責任でお願いします。